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2001 年度 実績報告書

HETE衛星を用いたガンマ線バーストの即時観測によるX線スペクトルの詳細測定

研究課題

研究課題/領域番号 13740136
研究種目

奨励研究(A)

研究機関理化学研究所

研究代表者

玉川 徹  理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20333312)

キーワードガンマ線バースト / スペクトル / GRB / XRF / エネルギーレスポンス / HETE-2
研究概要

HETE-2衛星は、2002年1月末までに53個のガンマ線バースト(GRB)をとらえ、そのうち14個について位置の速報をおこなった。この速報にもとづいて、地上や軌道上の可視、電波、X線望遠鏡が追観測をおこない、うち3個について対応する残光天体が発見された。1年間バーストのスペクトル研究を進めてきた中で、私が非常に興味を持っている結果は、X線フラッシュ(XRF)と呼ばれる現象が予想以上に多く見られたことである。XRFとは、GRBのような光度曲線を持ちながら、ガンマ線領域ではほとんど放射が見られず、X線領域にのみ放射が見られる特異なバーストである。位置速報ができた14個のバーストのうち5個がXRFであった。XRFはこれまでも何度か観測されていたが、系統的な観測はおこなわれておらず、HETE-2によって初めて、それがきわめてありふれた現象であるということが確認された。
本研究の課題である「スペクトルの詳細測定」をおこなうには、測定器のエネルギーレスポンスを正確に知っておくことが非常に重要となる。打ち上げ前に構築されたエネルギーレスポンスが正しいかどうかを確認するために、運用初期に「かに星雲」によるエネルギー較正をおこなった。その結果、低エネルギー領域においてレスポンスが予想した値からずれていることがわかった。この原因を追究するために、スペアの測定器を用いて、地上で追試験をおこない、その結果を用いて正しいエネルギーレスポンスを再構築した。来年度は、修正されたエネルギーレスポンスを用いて、これまで得たGRBやXRFのスペクトルを詳細に解析していく予定である。特に力を入れたいと考えているのは、エネルギースペクトルという切り口から、XRFとGRBの関係について調査することである。XRFとGRBは、同じ現象を違う角度から見ているだけではないかという理論予想があり、HETE-2による今後の観測に期待がかかっている。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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