大規模構造を特徴づける統計量として、分布のトポロジカルな量を用いる方法があるが、これを近年観測可能となってきたweak Lensing fieldに初めて応用し、理論的にその特性を調べた。特に非線形領域について数値シミュレーションの方法を用いて宇宙モデルへの保存性を明らかにし、近い将来にこの方法が有力な宇宙論のテストになることを示した。 また、宇宙の新しい解析法であるKL変換の方法について、その基本的なコードを発展させた。特に、コードのアルゴリズムに関して大きく改善し、ある有効な近似を用いることにより、計算時間を大幅に短縮させることが可能になった。この進展によりKL変換の有効性がますます高まり、現在、このコードを用いて実際のデータ解析を行っている。また、このアルゴリズムを用いて宇宙論パラメータの制限がどのように可能かを調べるのにフィシャー行列の方法が知られているが、特に宇宙定数の制限について調べた。その結果、SDSSサーベイのLuminous Red Galaxyと呼ばれるサンプルを用いると、驚くほどの宇宙定数の制限を得られることが明らかになった。
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