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2002 年度 実績報告書

シリコン・ストリップ検出器の表面特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13740157
研究機関広島大学

研究代表者

吉田 勝一  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50304390)

キーワードシリコン / ストリップ / 放射線損傷 / 表面損傷 / interface trap / 暗電流 / SSD
研究概要

シリコン・ストリップ検出器(SSD)の放射線による表面損傷は以下のようにして起こると考えられている。(1)放射線がSSDの表面の保護膜であるSiO2層で電子・ホール対を生成する。(2)ホールが拡散等により、シリコン基板とSiO2層との境界面に達する。(3)何らかの過程を経て境界面にinterface trapというものが生成される。Interface trapは禁制帯にエネルギー準位を持っており、SSDの性能を悪化させる暗電流の源となる。放射線によるSSDの表面損傷を防止するためには、(1)、(2)、(3)の過程のうちのどれかを起こらないようにすればよいと考えられる。(1)は不可能であり、(3)のプロセスは不明な点も多いので、(2)の過程がおこらないようにしてSSDの放射線による表面損傷の軽減を試みた。2つの方法を試してみた。いずれもホールがプラスの電荷を持っていることに着目し、SiO2層に電場をかけて(2)の過程を阻害するものである。以下にその詳細を述べる。
第1の方法:SSDの読み出しストリップはSiO2層中にある。よってこの読み出しストリップを負の電位にすれば、SiO2層で生成されたホールが境界面に達する前に読み出しストリップに集めることができる。私は読み出しストリップの電位をimplant stripに対し、0V,-2V,-6V,-20V,-60Vにして60Coのガンマ線を照射し、照射後の暗電流を調べた。結果は0V,-2V,-6V,-20Vと読み出しストリップの電位を低くするほど照射後の暗電流は小さくなった。-20Vで約26%暗電流の増加を抑制することができた。-60Vでは減少幅が小さくなり、電位差は大きければ良いというわけでなないと思われる。
第2の方法:SSDの表面に伝導性のシートを置きそれを負の電位にしてホールを集めた。同様に60Coのガンマ線を照射し、照射後の暗電流を調べた。結果は伝導性のシートがない場合に比べて暗電流の増加を66%抑制することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Yoshida et al.: "Heavy ion irradiation on Silicon strip sensors for GLAST"IEEE Trans. Nucl. Sci.. 49. 1756-1762 (2002)

  • [文献書誌] S.Yoshida et al.: "Performance of Large Area Silicon Strip Sensors for GLAST"IEEE Trans. Nucl. Sci.. 49. 1017-1021 (2002)

  • [文献書誌] S.Yoshida et al.: "Radiation hardening of silicon strip sensors"accepted for publication and to appear in Nucl. Instr. and Meth. A.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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