今年度は、本研究課題の1年目であり、CeMX_5系化合物、特にCeRuIn_5の単結晶育成を試み、育成条件を決定する計画であった。Inの自己フラックス法で育成を試みたが、CeIn_3の大きな単結晶が晶出しCeRuIn_5は得られなかった。Ru-Inの状態図がないため、Inフラックスの比率、温度等の最適値の予測が難しく、まだ手探りの状態である。来年度も引き続き育成方法を探る。 CeRuIn_5以外の115系の化合物の研究を進めた。UCoGa_5の純良単結晶育成に成功し、dHvA効果を用いた電子状態の研究を行ない、UCoGa_5が少数キャリアの半金属であることを明らかにした。CeNiIn_5の育成の過程でCeNiIn_4の単結晶育成に成功した。CeNiIn_4が0.7Kと1.4Kに明瞭な2段の相転移を示すことを比熱の測定から明らかにした。その物性等について現在研究を進めている。その他、Sn、Gaフラックスを用いて試料育成を試みている。. 今年度は、多くの115系化合物の合成を試みた。来年度は、それらの整理を行い、CeRhIn_5の圧力下での電子状態の研究も行い、この系で発現する超伝導の研究をまとめる。
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