研究概要 |
ハフニウム窒化物及びジルコニウム窒化物超伝導体の電気抵抗測定,SQUID磁化測定,超伝導状態でのLi-NMR,N-NMRやCl-MR測定を行った。 Li-NMRではLiスペクトルはナイトシフトゼロ付近で観測され、Liサイトには状態密度がほとんどないことを見いだし、微視的な観点からもHfNClの2次元的な電子状態を明らかにした。磁化率や実験で得られた超伝導相図に対し熱力学的関係から超伝導に関する電子状態についても考察を行い状態密度が、N(E_F)〜0.25states/(eV spin f.u.)であり、得られた状態密度は、10K級のBCS超伝導体のそれに比べ1桁小さいことから、25Kという高いTcを出すには、通常のBCS機構では困難であることを示した(Physical Review Letters, 2001掲載) Cl-NMRからも塩素ブロック層では局所状態密度がほとんどないことがわかり、超伝導はHfN層で起こっていることを明らかにした(Physica B掲載予定)。、アイソトープ置換をした試料の^<15>N-NMRから、窒素サイトの局所状態密度は有限であることが明らかとなった。超伝導状態でナイトシフトが減少することから、クーパー対がスピン1重項状態であることを示す直接的な証拠を得た。また、窒素アイソトープ置換による磁化率の実験では、アイソトープ効果はほとんどないことを明らかにした。これらの結果を考え合わせると、通常の電子格子相互作用による超伝導機構では説明困難であり、電子構造の2次元性が重要であると考えられる(Physical Review B掲載予定)。 ジルコニウム窒化物超伝導体では,磁場中電気抵抗測定に初めて成功し、2次元的な超伝導ゆらぎによる電気抵抗の振る舞いが確認された。現在この研究成果については投稿準備中である。
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