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2001 年度 実績報告書

溶液中における高分子構造形成の大規模シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 13740245
研究種目

奨励研究(A)

研究機関核融合科学研究所

研究代表者

藤原 進  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30280598)

キーワード高分子溶液 / 分子動力学シミュレーション / 構造形成 / 配向秩序 / トランス・ドメイン
研究概要

高分子の構造形成機構を分子レベルで解明するため、我々は溶液中における高分子鎖の分子動力学シミュレーションを行い、配向秩序構造の形成過程を解析した。高分子鎖のモデルとして、最も単純な内部構造を持つポリメチレン鎖を用い、溶媒分子のモデルとして、6個のメチレン基が連結した短い鎖状分子を用いた。また、メチレン基(CH_2)は、一つの質点として扱った。分子力場として、DREIDINGポテンシャルを使った。シミュレーション手法として、速度Verletアルゴリズムを用い、系の温度を一定に保つため、Nose-Hoover法を使った。高分子鎖及び溶媒分子の本数は、それぞれ、1本及び、3747本とした。最初に、高温でランダムな配位の高分子溶液を作り、次にそれを様々な温度に冷却し、配向秩序構造の形成過程の解析を行った。その結果、初期においては広がったランダム・コイル状態を取っているが、時間の経過と共に、トロイド構造を経て、最終的に折り畳まれた配向秩序構造を形成することが明らかになった。さらに、この配向秩序の成長が、不連続に階段状に進行することを見出した。これまで、DNAの様なsemi-flexibleな高分子の場合、トロイド構造を取り得ることは、実験及びコンピュータシミュレーションにより知られている。それに対して、ポリメチレンのような結晶性高分子の場合、実験的困難のため、トロイド構造を取り得るかどうかは明らかではなかった。溶媒分子という抵抗媒質の存在する環境においては、結晶性高分子といえどもトロイド構造を取り得ることが、本シミュレーション研究により、世界で初めて明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Fujiwara: "Structure formation of a single polymer chain. I : Growth of trans domains"The Journal of Chemical Physics. 114・14. 6455-6463 (2001)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Rigidity of Orientationallv Ordered Domains of Short Chain Molecules"Journal of the Physical Society of Japan. 70・4. 943-946 (2001)

  • [文献書誌] S.Fujiwara: "Molecular dynamics study of structure formation of a single polymer chain by cooling"Computer Physics Communications. 142. 123-126 (2001)

  • [文献書誌] H.Nakamura: "Dynamical Process of Coalescence of Domains in a Short Chain-molecule System"Computer Physics Communications. 142. 127-130 (2001)

  • [文献書誌] Y.Tamura: "Virtual reality system to visualize and auralize numerical simulation data"Computer Physics Communications. 142. 227-230 (2001)

  • [文献書誌] S.Fujiwara: "Molecular dynamics simulation of a single polymer chain in vacuum and in solution"Computer Physics Communications. (発表予定).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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