研究概要 |
本研究課題では,阿蘇火山をテストフィールドとして,土壌ガス(一酸化炭素)フラックスの分布と自然電位分布の関係を明らかにしようとしている. 1.このため,平成13年度は,面的測定が容易なチャンバー方式のガスフラックス計を備品として購入し,測定に向けてキャリブレーション用の薬品等を調達した.また,関連分野の情報を収集した.当初の目標では阿蘇カルデラ内で測定を実施する予定であったが,物品の納入までに時間がかかったため,今年度はガスフラックスの観測を行うことができなかった. 2.阿蘇カルデラの周縁部および中央火口丘の一部で,これまで不足していた自然電位分布の測定を補充した.これにより,カルデラ縁に見られる地形効果の特徴を明らかにするデータが得られるとともに,中央火口丘では中岳火口を中心とする高電位異常がこれまで以上に明瞭になった. 3.2次元流体流動計算コードを改良し,熱による対流系の計算が出来るようになった.さらに,自然電位シミュレータとしての機能を付加したことによって,地下の流体流動に伴う自然電位発生場のモデル化が出来るようになった.電位計算の部分については3次元の計算が可能になった. 4.活動的火山における自然電位分布の比較研究のため,米国ロングバレーカルデラと長崎県雲仙火山においても他の研究プロジェクトと連携を取りつつ自然電位分布の測定を実施した.これらの観測によって得られた成果は関連学会・研究会において発表した.
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