全球規模の炭素循環の解明のため、3次元大気輸送モデルを用いて、大気中の二酸化炭素(CO_2)の数値実験を行った。3次元大気輸送モデルは、主として対流圏を対象領域としており、空間解像度は、水平方向2.5°×2.5°、鉛直方向14レベル(σ座標)である。モデルに入力する気象データはECMWFによる客観解析データである。 CO_2のフラックスとして、化石燃料消費、土地利用変化、海洋、陸上生態系を考慮した。これらのフラックスを大気輸送モデルに入力し、1997年のECMWF客観解析データを用いて、大気中CO_2濃度を計算し、世界各地で得られているCO_2濃度観測値との比較検討を行った。 また、特に、陸上生態系が大気中CO_2濃度の季節変化と年々変化に与える影響を調べるために、4種類の陸上生態系モデルから得られたフラックスを用いて各々数値実験を行い、北半球及び南半球の代表的な観測サイトにおける季節変化、年々変化を詳細に検討した。
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