今年度は、FPGAによる集積化手法と、組込OSを用いたROM化手法について調査と開発を進めた。また、通常のCPUとリアルタイムOSを用いた場合の最高性能の評価を行い、現在普通に行われている開発手法を用いた場合、ソフトウェアではどの程度の速度・時刻精度で機器の制御を行うことができるかを検証した。その応用として可動部の無いシステムを用いた昭和基地用イメージングリオメータの制御部の設計と実装・評価を行った。また、米国Windriver社のアカデミックプログラムに参加し、同社の組込OSであるVxWorksを使用することが可能となった。今年度は、このOSを省電力CPUであるARMに対してROM化する作業を行った。 交付して頂いた科研費は、おもに基板工作用機械、回路図CADなどの多ピンFPGAを用いた回路作成に不可欠な基盤設備の購入に当てさせて頂いた。また試作を行う過程で、我々の分野ではあまり知られていない技術を習得することが出来た。現時点での到達点は、初期の目標のほぼ半分程度であると認識している。しかしこれらの基盤設備が整備されたため、研究年限が終了した後も研究開発を推進することが可能な状態となった。今後もねばり強く開発を推進し、完成の粋を目指す。
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