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2001 年度 実績報告書

コーディエライトの計算機シミュレーション実験

研究課題

研究課題/領域番号 13740309
研究種目

奨励研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

三宅 亮  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10324609)

キーワード計算機シミュレーション / 分子動力学法 / コーディエライト / 熱膨張性
研究概要

本研究の目的は、主要な造岩鉱物の一つであり、また工業的にも広く用いられているコーディエライトのa軸の低熱膨張性およびc軸の負の熱膨張性や相転移のメカニズムを、計算機シミュレーションを用いてミクロな面から明らかにすることである。
そこで、本年度は以下の研究を行った。
1)コーディエライトの低熱膨張性、特にc軸の負の熱膨張性をよく再現するパラメーターを決定した。
2)決定したパラメーターを用いて、完全に秩序化した低温型コーディエライトの膨張機構を明らかにした。すなわち、まず温度上昇によりTO_4四面体よりもMO_6八面体がより大きくなる。そのため、MO_6八面体と稜共有しているT1O_4四面体が正四面体になる方向にひずむ。その結果、T2O_4四面体からなる六員環が回転し、a軸方向の低熱膨張がおこる。また、この六員環の回転により0-T2-0角が小さくなり、c軸方向に負の熱膨張を示すことが分かった。
3)各陽イオンの大きさの熱膨張への寄与を調べるため、パラメーターのうち原子半径の大きさを変えたシミュレーションも行った。その結果、Mgサイトを占める陽イオン半径が大きくなるほどc軸が縮み、一方Alサイト・Siサイトを占める陽イオン半径を大きくするとc軸は長くなることが分かった。また、c軸の熱膨張率はMgサイトを占める陽イオン半径を大きくした場合に負から正に増加するのに対し、Alサイト・Siサイトを占める陽イオンでは逆に半径を小さくすると負から正に増加することが分かった。またこれらの膨張機構は2)で明らかにした膨張機構により理解が可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] MIYAKEA., SHIMOBAYASHI N., MIURA E., KITAMURA M: "Molecular dynamics simulations of phase transition between high -temperature and high -pressure clinoenstatite"Physics of Earth and Planetary Interiors. 129. 1-11 (2002)

  • [文献書誌] SIIIMOBAYASHI N., MIYAKE A., KITAMURA M., MIURA E.: "Molecular dynamics simulations of the phase transformation between low -temperature and high-temperature clinoenstatites"Physics and Chemistry of Minerals. 28. 591-599 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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