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2001 年度 実績報告書

不斉置換基を有するシリレンへの立体選択的付加反応

研究課題

研究課題/領域番号 13740362
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京理科大学

研究代表者

三治 敬信  東京理科大学, 理工学部, 助手 (00287484)

キーワードシリレン / 不斉誘導 / 光反応 / ジアステレオマー / 構造解析
研究概要

不斉置換基を有するシリレンへのアルコール付加反応において不斉誘導が起きることを明らかにした。すなわち、不斉置換基としてフェニルエチル基を有するトリシランをt-ブチルアルコール存在下、ヘキサン中、254nmの光照射を行ったところ、シリレン捕捉生成物であるジアステレオマー混合物の二種類の異性体として観測され、しかも異性体の偏りが観測された。この時、この異性体比はケイ素上の置換基、アルコールの大きさ、あるいは反応温度に依存した。立体構造については、二種類のジアステレオマー混合物をガスクロマトグラフによりそれぞれ分離し、^1H,^<13>C及び^<29>Si NMR、HCCOSEYおよびNOE差スペクトルにより、またX線構造解析などを用いて解析した。これらの結果よりアルコールがシリレンに攻撃する際、隣接不斉炭素上の置換基の立体を区別し、最も立体障害の少ないメチル基-プロトン間からアルコール酸素が攻撃し、ケイ素上に不斉誘導が起こる事がわかった。
さらに、置換基に酸素あるいは窒素原子などシリレンの空のP軌道に対し配位可能な基を有するシリレンとアルコールとの付加反応においては、先の場合と異なりジアステレオ選択性が逆転した。これは配位型の置換基がアルコールよりも先に立体障害の少ない側からシリレンのp軌道に配位し、その後アルコールと反応して付加体を与えるものとして理解することが出来る。
これらの実験は、14属二価化学種の反応において不斉誘導を示した初めての例となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Sanji: "Helical-Sense Programming through Polysilane-Poly(triphenylmethylmethacrylate) Block Copolymers"J. Am. Chem. Soc.. 123. 12690-12691 (2001)

  • [文献書誌] T. Gunji: "Syntheses and Characterization of Disilane Unit Containing Polytiana- and Polyzirconasiloxanes"Chem. Lett.. 1106-1107 (2001)

  • [文献書誌] H. Sakurai: "Intermolecular Dimerization of Silylenes Leading to Novel Cyclic Disilenes"Chem. Lett.. in press.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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