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2002 年度 実績報告書

磁性薄膜への分子吸着による磁気スイッチング―深さ分解XMCD法による解析

研究課題

研究課題/領域番号 13740390
研究機関東京大学

研究代表者

雨宮 健太  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313196)

キーワード表面磁性 / 深さ分解 / 金属薄膜 / 鉄 / 銅 / ニッケル / X線磁気円二色性 / XMCD
研究概要

最初に試料を磁化するためのコイルを改良し,超高真空を保ったままで2000ガウス程度が得られるようにした。これによってXMCDスペクトル測定の際に円偏光を反転させる必要がなくなり,光路の変化による偽のスペクトル構造を取り除くことができるようになった。また試料の固定をより強固にすることによって,一連の実験中に測定条件が変化することがないようにした。これらの改良によって,Cu(100)単結晶上に成長したFe薄膜について,より精度の高い深さ分解XMCDスペクトルが得られ,詳しい解析の結果,7原子層のFe薄膜の場合には表面2層が強磁性になっており,それより深いところは波長2.4層程度のスピン密度波を形成していることが示唆された。
さらに蛍光スクリーンとCCDカメラを用いたイメージング型の検出器を試験的に導入し,様々な出射角の電子を一度に取り込むことによって,測定時間が大幅に短縮されることはもちろん,すべてのデータの測定条件が全く等しくなることによる精度の飛躍的な向上が見られることを確認した。この新システムを用いて上述の試料について温度変化測定を行い,内部のスピン密度波が200K程度より高い温度で消失して非磁性層になることを示唆する結果を得た。また,Cu(100)の上にNiとFeを順次蒸着した試料についてFe薄膜の深さ方向の磁気構造を調べ,膜厚や温度によってはNiと接しているFeは表面のFeと逆向きに磁化されることがあることを世界で初めて直接的に示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Amemiya 他: "Development of a depth-resolved x-ray magnetic circular dichroism : Application to Fe/Cu(100) ultrathin films"Journal of Physics : Condensed Matter. 15. S561-S571 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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