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2001 年度 実績報告書

光学活性アンモニウムフルオリドの創製と不斉合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13740410
研究種目

奨励研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

大井 貴史  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80271708)

キーワードアルドール反応 / アンモニウムフルオリド / エステル化反応 / 相間移動 / 不斉合成
研究概要

本研究の初年度では、まず固相-液相相間移動条件での四級アンモニウムフルオリドの簡便な系内発生法の確立を目指し、研究に取り組んだ。具体的には入手容易な各種のテトラブチルアンモニウム塩を前駆体とし、これらをTHF中金属フッ化物で処理することで相当するフッ化物塩を系内で発生させることができるかどうかを、続くシリルエノールエーテルとアルデヒドのアルドール反応における触媒活性を比較することで評価した。その結果、四級アンモニウム硫酸水素塩のTHF溶液に過剰量のフッ化カリウムを加え撹拌することで、円滑な陰イオン交換が起こり、系内で四級アンモニウムフルオリドを発生させ得ることを見い出した。このように系内発生させた四級アンモニウムフルオリドは単離することなく望む反応の触媒として用いることができる。特にアルドール反応では系内発生法を用いることで触媒活性の際だった向上が見られ、高収率で目的のアルドール体を得ることに成功した。さらに本法をC_2対称軸を有するる光学活性四級アンモニウムフルオリドの調製に適用しこれを触媒とすることで、これまで成功例のほとんどないアンモニウムエノラートを経由した高エナンチオ選択的アルドール反応を実現した。さらにこれらの知見を踏まえ、四級アンモニウムフルオリドの系内発生法をアンモニウムフルオリド自身の塩基性を利用したカルボン酸のアルキルハライドによるエステル化反応に用いたところ、既成の四級アンモニウムフルオリドを凌駕する高い活性が得られ、反応の触媒化を実現できた。ここでも系内発生させた光学活性四級アンモニウムフルオリドを用いることで、第二級アルキルハライドの速度論的分割を伴う、光学活性エステルの合成に成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takashi Ooi, Kanae Doda, K.Maruoka: "Distinct Advantage of the in situ Generation of Quaternary Ammonium Fluorides under Phase-Transfer Conditions toward Catalytic Asymmetric Synthesis"Organic Letters. 3・9. 1273-1276 (2001)

  • [文献書誌] Takashi Ooi, Hayato Sugimoto, Kanae Doda, K.Maruoka: "Esterification of Carboxylic Acids Catalyzed by in situ Generated Tetraalkylammonium Fluorides"Tetrahedron Letters. 42・52. 9245-9248 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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