研究概要 |
平成13年度の研究実績は以下のとおりである. RecAとDinIの相互作用の系については,主としてRecA上のDinI結合領域の同定を行った.RecAのN末端,C末端のドメインを別々に調製し,それぞれを^<15>N標識したDinI試料に加えNMR測定を行ったところ,相互作用を示すようなDinI側のシグナル変化は観測されなかった.この結果から,RecA上のDinI結合領域は中央ドメインそのものか,もしくはRecAフィラメント上の隣接する中央ドメイン間のクレフトである可能性が示唆された.中央ドメインとDinIの相互作用を直接示し,かつ詳細な高次構造解析を行うために,現在安定な大腸菌RecAの中央ドメインの大量発現系を構築している. RecAとDNAとの相互作用については,全長のRecAおよびRecAのC末端ドメインに^<19>F標識されたトリプトファンを導入し,^<19>Fシグナルをブローブとすることで,RecAとDNAの相互作用の解析を試みた.このうちC末端ドメインとdsDNAとの相互作用については,dsDNAとの相互作用にともなうRecA側の構造変化を捉えることに成功した.現在詳細に解析中である. Mre11については,全長Mre11の大量発現系および精製法の確立を行い,生化学的解析に加えて,限定分解によるドメイン構造解析を行った.この結果に基づき,生化学的活性を保持しつつ物理化学的解析に適したフラグメントの発現系の構築を進めている.
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