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2002 年度 実績報告書

DNA組換え制御機構の構造生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 13740432
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

伊藤 隆  理化学研究所, 遺伝性化学研究異質, 研究員 (80261147)

キーワードRecA / DinI / SOS応答 / Mre11 / DNA相同組換え / NMR / 高分子量蛋白質
研究概要

RecAとDinIの相互作用の系については,transferred NOE法というNMRの手法を用いることで,RecA単体とRecA-DinI複合体の各々について単鎖DNAとの相互作用の解析を行った.その結果,RecAはDinIとの相互作用の有無にかかわらず,単鎖DNAと結合する活性を保持しており,RecAに結合している単鎖DNAのコンフォメーションもほぼ同一であることが判明した.DinIはRecAとLexAなどの蛋白質との相互作用を阻害してSOS反応を終結させると考えられているが,本研究の結果によって,DinIはRecAからDNAを遊離させて不活化させるのではなく,むしろRecAとLexA等との相互作用を競合的に阻害している可能性が強く示唆された.
Mre11については,プロテアーゼ限定分解によるドメイン構造解析で同定されたC末端側約200残基の領域について,大腸菌内での大量発現系を構築し,精製条件を確立した.この領域はMre11ホモログの中で真核生物にのみ保存されており,減数分裂時のDNA相同組換えにおけるクロマチン構造変化に重要な領域である.単離されたこのドメインについて,NMRおよび蛍光分光法を用いて機能解析を行った.この結果,このC末端側ドメインはそれ自身で単鎖および二重鎖DNAと結合する活性を持っていることが示された.また,このドメインを大腸菌中で発現させ,in vivoでNMR測定を行う試みにも成功した.このアプローチを用いることでMre11のC末端領域と他の因子との相互作用をin vivoで,かつアミノ酸残基以上の分解能で観測できる可能性が示された.
また,上記の機能解析と平行して高分子量蛋白質(および蛋白質複合体)のNMR解析のための方法論的研究も行い,効率的な蛋白質主鎖NMRシグナル帰属法を確立し発表した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Masatoshi Yoshimasu: "An NMR study on the interaction of Escherichia coli DinI with RecA-ssDNA complexes"Nucleic Acids Research. 31(in press). (2003)

  • [文献書誌] Daniel Nietlispach: "A novel approach for the sequential backbone assignment of larger proteins : selective intra-HNCA and DQ-HNCA"Journal of the American Chemical Society. 124. 11199-11207 (2002)

  • [文献書誌] Masatoshi Yoshimasu: "NMR approaches to investigate protein-protein and protein-nucleic acid complexes"RIKEN Review. 46. 32-35 (2002)

  • [文献書誌] Sundaresan Rajesh: "Molecular insights into the surface regions of ubiquitin recognised by interacting proteins"RIKEN Review. 46. 36-38 (2002)

  • [文献書誌] 大島 泰郎: "ポストシークエンス タンパク質実験法2 試料調製法"東京化学同人. 204 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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