・マルハナバチを用いた研究 茨城県笠間市の調査地において、コマルハナバチとトラマルハナバチの採餌行動と帰巣行動の観察から得られたデータに基づき、移動平均法(Moving Average Model)を用いて、コロニー位置の存在確率の推定を行った。その結果、実際に発見されたコマルハナバチのコロニーの位置は、全年を通した平均値としての存在確率は高くなかったものの、秋口の新女王産出時の存在確率は非常に高くなっていた。このことは、移動平均法による推定の妥当さを意味する。また、この研究の内容はEcol.Res.誌に発表した(Nakamura and Toquenaga 2002)。 ・白鷺を用いた研究 筑波山を中心として茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県の4県にまたがる100km×100kmの調査地区において、白鷺類のコロニーとねぐらの種別個体数の調査を行った。個体数推定のために、小型カメラを搭載したパワード・パラグライダー(Sky Surfer)を使った空中撮影技術を応用した。また、餌場とコロニーの形成位置を関連づけるために、WWWで公開されている国土地理情報を基盤に、ラスター形式の土地利用データベースを作成した。このデータベースを用い移動平均法の計算を行い、コロニー形成確率を推定した。その結果、現在形成されているコロニーの位置はランダムではないことが証明された。この研究内容については、現在論文作成中である。
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