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2001 年度 実績報告書

葉緑体ゲノムの多重遺伝子操作によるストレス耐性植物の創成

研究課題

研究課題/領域番号 13740465
研究種目

奨励研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

坂本 敦  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60270477)

キーワードストレス耐性 / 葉緑体形質転換 / 形質転換植物 / 適合溶質 / 膜脂質不飽和化
研究概要

低温,塩,乾燥,強光などの非生物学的環境ストレス(以下,環境ストレスと略)は,単独でも光合成をはじめとした植物の細胞生理機能を阻害し植物の生育や農作物の生産性を著しく抑制するが,自然環境においてはそれらは複合的に働くことで(たとえば低温下での強光,あるいは塩ストレス下での強光),植物に深刻なダメージを与える場合が多い。環境ストレス耐性植物の作出は現代植物科学に課せられた重要な課題のひとつであるが,食糧問題あるいは地球環境問題に対する現実的な方策として"複合型環境ストレス耐性"の増強が強く要請されている。
本研究の目的は,ストレス耐性遺伝子群の葉緑体ゲノムへの多重導入により,葉緑体形質転換植物が複合型環境ストレスに対する耐性を飛躍的に増強する可能性を探ることである。ストレス耐性遺伝子として土壌細菌のコリン酸化酵素(適合溶質ベタインを生成し,塩,低温,高温,強光ストレスに対する耐性の増強に有効),ホウレンソウのアシル脂質不飽和化酵素,ラン藻のΔ9不飽和化酵素(ともに生体膜の不飽和化を促進し,低温ストレスに対する耐性の増強に有効)などの遺伝子を標的遺伝子として形質転換実験をすすめた。スペクチノマイシン耐性遺伝子を形質転換マーカーとし,これらの遺伝子を単独あるいは組み合わせた形でパーティクルガン式遺伝子導入装置を用いて,相同組換えによりタバコ葉緑体ゲノムのrbcLとORF512の間に導入を試みた。形質転換マーカーであるスペクチノマイシン耐性およびストレプトマイシン耐性を指標に,形質転換カルスを選抜し,いくつかの薬剤耐性カルスを得た。今後これらについて再分化植物を取得し,分子生物学的,生化学的,ストレス生理学的解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Sakamoto: "The use of bacterial choline oxidase, a glycinebetaine-synthesizing enzyme, to create stress resistant transgenic plants"Plant Physiology. 125・1. 180-188 (2001)

  • [文献書誌] M.Inaba: "Functional Expression in Escherichia coli of low-affinity and high-affinity Na^+(Li^+)/H^+ antiportrs of Synechocystis"Journal of Bacteriology. 183・4. 1376-1384 (2001)

  • [文献書誌] V.A.Shuvalov: "Optical study of cytochrome c_M formation in Synechocystis"IUBMB Life. 51・2. 93-98 (2001)

  • [文献書誌] A.Sakamoto: "Arabidopsis glutathione-dependent formaldehyde dehydrogenase is an S-nitrosoglutathione reductase"FEBS Letters. 515・1. 20-24 (2002)

  • [文献書誌] A.Sakamoto: "The role of glycinebetaine in the protection of plants from stress : clues from transgenic plants (invited review)"Plant, Cell & Environment. 25・2. 163-171 (2002)

  • [文献書誌] 坂本 敦(分担執筆): "バイオサイエンスの新世紀・第14巻「生命工学:新しい生命へのアプローチ」(浅島 誠, 山村研一編)"共立出版(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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