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2002 年度 実績報告書

カイコにおけるGTP-cyclohydrolase I 遺伝子の発現機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13740483
研究機関北里大学

研究代表者

加藤 智美  北里大学, 一般教育部(基礎科学センター), 助手 (10327455)

キーワードプテリジン / テトラヒドロバイオプテリン / メラニン / オモクローム / GTP-シクロヒドロラーゼI / カイコ / カスリ / セピアプテリンレダクターゼ
研究概要

還元型のプテリジンであるテトラヒドロバイオプテリン(BH_4)は生物に必須の補酵素活性を持つ物質として知られている。一方、昆虫のプテリジンはメラニンやオモクロームとともに体色発現に直接的に関っている。本研究は、このプテリジン生合成の第一段階の反応を触媒し、律速酵素として働いている、GTP-シクロヒドロラーゼI(GTP-CH I)に着目し、GTP-CH Iを通して、昆虫におけるBH_4の生理機能をプテリジン蓄積以外の角度から探ることを目的としている。
今年度までに、プテリジン蓄積量には差が認められないが、オモクローム系色素発現及び斑紋の相違により体色が異なるカイコ(支146、カスリ、大造)を使い、発生段階における皮膚中のGTP-CH Iの活性及びmRNAの発現量を比較した。その結果、オモクローム系色素を多量に蓄積し、メラニン色素からなる斑紋が一番大きなカスリでは、他の2種と比較すると全ての発生段階を通して、GTP-CH Iの活性が高いことが明らかになった。さらに、エクダイソン濃度の変動と連動して、カスリが脱皮、蛹化、羽化する時期にGTP-CH I mRNAの強発現が認められた。又、BH_4の生合成の最終段階に働く酵素である、セピアプテリンレダクターゼ(SPR)の活性も、全ての発生段階を通してカスリの方が若干高いこと、GTP-CH I mRNAの強発現が認められた時期近くで、BH_4を含む還元型バイオプテリン量が増加していることが明らかになった。以上のように、カスリにおける、GTP-CH I mRNAの強発現はプテリジン蓄積を目的としたものではなく、オモクローム合成やメラニン形成に関与する、昆虫に特異的なBH_4の補酵素としての役割を示唆するものである。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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