研究概要 |
1.トウダイグサ亜科の種子と胚珠の解剖学とその分類学的意義についてまとめた。その結果、トウダイグサ亜科はすべてパキカラザがない、内種皮外層が柵状になる。内珠皮に維管束がない点で非常に均質なまとまりを作っていることが明らかになった。しかし、内珠皮の厚さ、外種皮の厚さと、外珠皮の維管束の有無、仮種衣の有無で亜科内に変異が見られた。これらの特徴からトウダイグサ亜科内の分類システムについての考察を行った。この結果をまとめ日本植物学会誌に投稿し発表した。(J.Plant Res 2002) 2.キントラノオ目に分類される24科95属の葉緑体rbcL遺伝子(1331bp),atp8遺伝子(1469bp)及び18S rDNA(1736bp)の塩基配列を解析し、系統解析を行った。その結果、48の最節約系統樹が得られ、その厳密合意樹では広義トウダイグサ科は単系統群にはならないことが分かった。広義トウダイグサ科は少なくとも6つの単系統群に分解し、(1)トウダイグサ亜科+エノキグサ亜科+ハズ亜科(2)コミカンソウ亜科(3)オールドフィールディア亜科(4)エノキグサ亜科ガレアリア連(パンダ科)(5)コミカンソウ亜科ハツバキ連(ツゲモドキ科)(6)パラドライペッテス属の単系統群が認識された。これらの結果を日本植物学会(於京都大学)および日本植物分類学会(於国立科学博物館)において発表を行い、日本植物学会誌に投稿し受理された。
|