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2001 年度 実績報告書

分子系統学的知見に基づく蘚類ハイゴケ目の新分類体系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 13740490
研究種目

奨励研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

坪田 博美  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10332800)

キーワードハイゴケ目 / ナガハシゴケ科 / ハイゴケ科 / 蘚類 / 分子系統
研究概要

本研究は,形態形質だけではコンセンサスが得られず,多くの分類学的な問題点をもつ蘚類ハイゴケ目について,系統学的な知見を活用して分類形質の再評価を行い,分類体系の再検討を行うことを目的として研究を進めている.現在,蘚類ハイゴケ目の中でもとくに分類学的取り扱いについて議論の多くなされてきたナガハシゴケ科とハイゴケ科について検討を行っている.これら2科を対象とすることで,ハイゴケ目内の分類学的な問題点を解決する糸口が得られると考えられるためである.これまで,ナガハシゴケ科とハイゴケ科の境界を議論する際とくに問題となっていたカガミゴケ属とその周辺分類群については,Tsubota et al. (2000)でナガハシゴケ科に含めるという結論が得られていた.さらに本研究では,カガミゴケ属と同様にその取り扱いが問題となっていたHeterophyllium属とその周辺分類群について,系統学的な知見を得て,カガミゴケ属と同様にナガハシゴケ科に含めるという結論を得た.また,系統学的知見に昭らし合わせた場合,Heterophyllioideae亜科の形態的特徴はナガハシゴケ科の中でも祖先的なものであり,これらの特徴のいくつかは他のハイゴケ目蘚類でも見られるものであると解釈できた.これらの結果についてはTsubota et al. (2001a)で発表を行った.また,Trismegistia属内に,形態的・系統的に異質なまとまりがあることが明らかとなったので,Tsubota et al. (2001b)において発表を行った.さらに,Trismegistia undulataについては,Pseudotrismegistia属として新たに独立して取り扱う見解を得た.これについては,Akiyama&Tsubota (2001)において記載論文を発表した.さらに現在,ナガハシゴケ科として扱われ,いくつかの祖先的な特徴を持つClastobryoideae亜科内のいくつかの属についても研究を進めている.一部の結果については,国際蘚苔類学会において発表を行い,現在論文として公表すべく投稿の準備を進めている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Tsubota: "Molecular phylogeny of the Sematophyllaceae (Hypnales, Musci) based on chloroplast rbcL sequences"Journal of the Hattori Botanical Laboratory. 90. 221-240 (2001)

  • [文献書誌] H.Tsubota: "Molecular phylogeny of the genus Trismegistia and related genera (Sematophyllaceae, Musci) based on chloroplast rbcL sequences"Hikobia. 13. 529-549 (2001)

  • [文献書誌] H.Akiyama: "Pseudotrismegistia H.Akiy. & Tsubota, a new genus of the Sematophyllaceae (Musci)"Acta Phytotaxonomica et Geobotanica. 52. 85-95 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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