光CTは非破壊で安全な光を用いて生体などの内部を観測し、三次元形状を計測するのに用いられる。 従来の光CTでは干渉の位置を制御するのに機械的駆動を必要とする。ところが機械的駆動は動作速度に限界がある。そこで考え出されたのが光コムを用いた新しい光CTである。 この光周波数コムを用いた新しい光CTには二台の変調周波数が可変の光周波数コム発生器が必要である。ところが従来の光周波数コム発生器では変調周波数が固定していた。このため二台の変調周波数を合わせる事が、事実上不可能であった。これはモノリシック構造による結晶長さが固定であったためである。また制御機構に問題があり、調整無しに長時間駆動が可能でなかった。 そこでまず、今年度は変調周波数が可変の光周波数コム発生器を設計試作した。方式は新たに、セミモノリシック型を考案し、それを実行した。これにより共振器長さの調整が可能になり、任意の周波数で駆動が可能になった。また制御系に関しては、専用電子回路ボードを作成し、発振器他も一台の新規の設計の匡体におさめる方式とした。一台の匡体におさめる方式にするために温度安定化はペルチェと水冷を組み合わせた方式をペルチェと空冷を組み合わせた方式に変更した。 この結果得られた光周波数コム発生器は調整無しで少なくとも1っヶ月以上安定動作する事を確認した。現在、この構成の光周波数コム発生器を光CTに必要な二台目を作製している。
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