研究概要 |
1.縞パターン相関法に基づいた三次元形状計測システムの開発 本研究では、顔の微小な形状変化を三次元情報として抽出してヒューマンインターフェースに応用する。三次元情報の認識法として、申請者が提案している縞パターン相関法を用いる。三次元計測系として格子パターン投影装置と高解像度デジタルカメラを用いた格子パターン投影光学系を構成し、縞パターン相関法に基づいた顔の三次元形状認識システムを構築した。 2.最適な格子パターン特性と抽出領域の決定 顔を構成する様々な三次元形状に対して、顔の筋肉の変位量を計測するために最適な格子ピッチ,撮影条件を実験により決定した。また、認識に必要な計測領域として,特徴的な三次元情報を含んでいる両目と口を結んだ三角形の領域内と形状変化が比較的大きい口元を用いて実験を行い、良好な結果を得た。 3.空間周波数多重カラー格子を用いた適応三次元形状計測法の開発 正確な顔の三次元形状計測を行うために,空間周波数多重カラー格子を用いた縞パターン相関法を提案し、従来法において欠点であった位相不確定問題を解決した。実験により高精度な計測ができることを確認した。また、空間周波数多重カラー格子を用いて適応的に頭部の三次元変位を補償する手法を考案した。 4.サーバー認証型システムの構築と三次元情報の圧縮法の提案 クライアントで三次元情報を取得しサーバーで認識処理を行うサーバー認証型システムを構築する。三次元情報の伝送の負担を軽減するため、縞パターン相関法における高さ変換複素振幅を用いた三次元情報の圧縮法を提案し、帯域制限幅と三次元形状情報の精度の関係を明らかにする。
|