本研究は、連続波レーザー光で励起した増幅用結晶中を、モード同期固体レーザーからの高繰返し・超短パルス出力光を通過させることにより、従来のNd : YAGレーザーなどのパルスレーザー励起による再生増幅器のようなキロヘルツオーダーの繰返し周波数の出力光とは異なり、数十メガヘルツの高い繰返し周波数を持った高平均出力パルスに増幅する光増幅器を製作することを目的としている。 現在、これまで我々が行ってきた一段増幅連続波レザー光励起増幅器に対し、第二の増幅段を追加した二段増幅連続波レーザー光励起増幅器の試作を行っているところである。二段増幅連続波レーザー光励起増幅器では、2ヶの増幅用チタンサファイア結晶を励起する計6ヶのレーザーを収束するためのレンズの焦点距離、また、被増幅パルス光を収束させる2ヶのレンズの焦点距離、さらには出力されたパルス光の分散補償用のプリズム対の材質、プリズム間距離など、その性能を決定するであろうパラメータは極めて多い。これらの組み合わせを一つ一つ確認し、一段増幅連続波レーザー光励起増幅器で得られた測定結果に基づいて計算した二段増幅連続波レーザー光励起増幅器の出力特性と実測された結果とを比較して、最適な組み合わせの検証を行っているところである。その結果から高出力化を制限している原因を特定し改善を行い、最終的には平均出力が10Wを越える高平均出力・高繰返し超短パルス列を得ることを目指している。
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