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2002 年度 実績報告書

繊維/樹脂界面の動的環境強度特性評価と界面はく離疲労き裂進展のその場観察

研究課題

研究課題/領域番号 13750078
研究機関京都大学

研究代表者

田中 和人  京都大学, 工学研究科, 助手 (50303855)

キーワード繊維 / 樹脂界面 / 単繊維引き抜き試験 / 界面き裂進展 / 疲労 / その場観察 / 水環境効果 / アラミド繊維 / エポキシ樹脂
研究概要

複合材料は「組合せ」であるが故に数多くの特徴を有し,単一素材では実現できない特性の可能性に富んでいる一方,必然的に異種材料間に界面が存在し,その特性が複合材料の機械的特性に大きな影響を与える.しかしながら,繊維/樹脂界面の機械的特性や破壊機構,特に実使用下において重要となる動的環境強度特性に関する知識は,高強度・高弾性繊維強化複合材料の研究・開発の歴史が浅いこともあり,極めて乏しい状況にある.そこで,本研究においては,アラミド繊維とエポキシ樹脂を用いて,界面き裂を定量的に観察することができるモデルコンポジット試験片を考案し,乾燥空気中,実験室空気中,湿潤環境中において単繊維引き抜き試験を疲労荷重下で行い,界面はく離進展挙動に及ぼす水環境や繰り返し速度の影響を検討した.初期き裂の大きさは吸水時間に依存し,4週間吸水材は空中放置材に比べて大きな初期き裂が発生し,7週間吸水材の場合は埋め込み長さ全長にわたる初期き裂が生じた.初期き裂導入後のき裂進展については,界面き裂進展速度は界面き裂の進展にともなって低下し,最終的に停留した.界面き裂の停留は,最大荷重を界面き裂の表面積で除した値が,環境に固有な一定値に近づくことで条件付けられた.界面き裂は,乾燥空気中では実験室空気中に比べて高速に進展するのに対して,湿潤空気中ではほとんど進展しなかった.また,湿潤空気中でき裂進展試験を開始し,界面き裂が停留した後に乾燥空気を導入すると,き裂はふたたび進展を開始した.逆に,乾燥空気中で試験を開始し,界面き裂進展中に湿潤空気を導入すると,界面き裂は停留した.つまり,湿潤環境により,き裂進展速度が低下することがわかる.また,界面き裂進展速度は応力繰り返し速度に大きく影響を受け,繰り返し速度が低いときに速くなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Tanaka: "Characterization of the Aramid/Epoxy Interfacial Properties by means of Pull-out Test and Influence of Water Absorption"Composites Science and Technology. 62(16). 2169-2177 (2002)

  • [文献書誌] 田中 和人: "アラミド単繊維/エポキシ樹脂界面破壊特性に及ぼす水環境効果"日本機械学会M&Mレイクサイドサマーシンポジウム講演論文集. No.02-21. 28-31 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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