研究概要 |
本年度は,開発中である動的陽解法FEM切削シミュレーションで低速切削過程から超高速切削過程まで解析できるための手法の改良を行った.動的陽解法の場合,低速切削過程を解析するためには,莫大な計算時間を必要とする.この計算時間を短縮化するためマススケーリング法を採用するが,妥当な解析結果が得られるマススケーリングレートについて検討した. またFEMによる超高速切削過程シミュレーションで得られる現象が実際に起こるかどうかを確認するための超高速切削実験装置の改良を行った.本実験装置は申請者か開発した装置であり,平行に配置した2本のガイドレール上を,圧縮空気により加速された被削材ブロックと工具ブロックが互いに高速で対向移動することによって衝撃切削を行うものである,衝撃切削加工装置の改良点は,ガイドレールの設置剛性を高めること,高速で移動する工具と被削材のガイドブロックを安全に安定して停止させる機構を新たに設計製作したことである.特に高速衝撃切削直後では,両ブロックは,30m/s程度で移動しており,これらを300mm程度の区間で0m/sにさせなければならない.改良後の実験装置は,ディスクブレーキ機構とダンパー機構を持つように設計した.ブレーキ機拙が機能するためには,各部品は精度の良い加工が必要となるため、改良部品の大部分を外注加工とした.また切削距離を長くするため被削材ブロックと工具ブロックの形状を改良し,同時に軽量化も行った.
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