研究概要 |
平成13年度中に以下の研究成果を報告する。 1.有限要素法によるステータの振動解析 ●すでにABQUSを用いてステータの接触と摩擦トルクを求めた.その結果を用いてより均一なトルクが生成できるステータ形状の検討を行った. ●超音波モータの摩擦駆動のシミュレーションを行い,最適なロータ,ステータ間の押しつけ力を決定し,摩擦による熱,電気的な要因による熱などについての検討を行った. 2.最適ロータの検討を行った ロータ材は摩擦係数が高く,かつ耐摩耗性のあるものが望ましい.ここではABSかPES材に銅メッキを施したものを試作し検討を行った.一般にメッキは機械的強度がないと言われているが,これまでの実験ではABS材と銅メッキはきわめて優れた耐摩耗性を示している. 3.ステータ表面の摩擦躯動の機構解明 一般にステータ上の波動頭で駆動されていると考えられているが,申請者の観測によると,ステータ上に生成される進行波がロータ材を押し上げるとき,かなり変形し、これが駆動トルクに大きく影響することが確認された. 4.摩擦材の検討を行った ステータの表面に発生する振動エネルギーを有効にロータに伝える方法としてロータとステータの間に薄いリングを(摩擦材)を介在させるのがよいとされているので、今回摩擦材としてペーパ摩擦材を用いて検討を行った.実験よりペーパ摩擦材の有無はトルクの変動に影響を与えることが確認された.すなわちペーパ摩擦材を使用するとトルクが若干小さくなるが、トルクの変動は小さい.従って湿式ペーパ摩擦材を使用することで摩耗を防ぎ超音波モータの寿命が長くなることが言える.
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