研究概要 |
本研究では実在する3次元物体の形状構成要素をとして3次元空間曲線を考え,作業者が自在に形状を操作できるように,曲線の測定と制御が実時間で可能なシステムの開発を目的としている. 平成13年度においては,3次元空間曲線の形状測定デバイスの開発をおこなった.まず,形状測定デバイスの基本部分として光ファイバ/レーザーを用いた曲率センサの考案をおこなった.ここで提案した曲率センサの測定原理は,従来の光ファイバセンサでは測定不可能であった小さな曲率も測定できるだけなく,大きな曲率まで測定することを実現するものである. つぎに,この測定原理にもとづいた曲率センサの設計をおこなった.曲率センサには光ファイバをループ状に配置するため,センサ設計のために正確なループ形状を算定し定式化する必要がある.そこで,ループ状に配置される光ファイバを幾何学的制約条件における弾性曲線としてモデル化し,その変形について非線形計画法にもとづく手法を用いた変形シミュレーションを行い,ループ形状の形状関数を算定した.この形状関数を用いて,光ファィバ中を透過するレーザー光の透過光損失シミュレーションをおこなった.これらのシミュレーション結果をもとに曲率センサを設計・試作し,評価試験をおこなった.その結果,本センサは曲率に対して線形性の応答を示し,従来の光ファイバセンサでは測定できなかった小さな曲率の曲げにも十分な応答を示すことが確認できた.
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