研究概要 |
平成13年度は,マイクロチャンネル熱交換器を模擬したテスト流路を製作し,まず分岐管の気液分配特性を把握した.基礎実験として非加熱の状態で気液二相流を実験した.気相には窒素を用い,液相には水を用いた.このセミマイクロチャンネル内の窒素-水系等温二相流において,各分岐管への気液分配特性を中心に,気液二相流の基本的な流動特性を実験的に明らかにした.流路系は主管・分岐管ともに偏平断面を持つ狭間隙流路であり,主管の流路幅は10mm,分期間の流路幅は6mm,流路間隙Сは0.5mm,1.2mm,2.0mmの3通りに変化させた.各流路は同一平面内に設置された.主管における見かけの液相速度j_<lm>を0.2〜1.0m/s,見かけの気相速度j_<gm>を0.7〜18m/sに設定し,各管における流動様相の観察,各分岐管への気相・液相分配割合の計測を行った.主な結果を以下に示す. 1.分岐管への液相分配特性はj_<gm>に依存して変化する.j_<gm>が低い場合,С=0.5mmでは液相は全分岐管への均等分配に近づくが,Сが大きくなると液相は最上流(第1)と最下流(第5)分岐管へ選択的に分配され,他の分岐管へはほぼ均等分配になる.j_<gm>が高い場合には,液相分配率は流路間隙に依存しなくなり,いずれのСでも第1及び第5分岐管への分配率が高くなる. 2.主管・分岐管ともに流動様式はj_<gm>に支配されるが,分岐管内の流動はj_<lm>とj_<gm>を同一にしても気液分配の不均一性により分岐管ごとに異なった様相を示す.本実験条件では,主管ではチャーン流と環状流が,分岐管ではそれらに加えてプラグ流が観察された.С=0.5mmではプラグ流の出現割合が高いが,流路間隙が広くなるにつれてチャーン流の出現頻度が増す. 3.気相の分配特性は液相と同様にj_<gm>に依存する.j_<gm>が低い場合,いずれのСにおいても第3(または第2)分岐管で最大分配率,第5分岐管で最小分配率をとる傾向に変化はないが,液相分配率と同様にСによる定量的な差異が減少する.
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