研究概要 |
本研究は,2年間にわたって行う研究であるので,本年度での研究成果は,その途中経過における研究成果である. まず,磁場に反応する新しい機能性流体を開発した.その特性について,回転粘度計を用いて粘度特性を,また,直流磁場と高周波数帯交流磁場を用いて磁化特性を実験的に調べた.また,従来の磁場に反応する機能性流体としての磁性流体やMR流体と比較検討した.さらに,これらの流体の内部構造について,SEMや実体顕微鏡を使用して実験的に調べた.これらの結果を用いて,次に述べるダンパー併用アクチュエーター装置における実験指針とした. 次に,新しいダンパー併用アクチュエーター装置について試作し,その実験を行った.用いた磁場は,磁場強度や磁場方向など,いろいろな種類の磁場であり,また,装置の寸法や新しく開発した数種類の機能性流体等,実験条件は多岐にわたっている.それらの実験結果から,ある条件下において,最も有効的であるという結果を得た.そのターゲットは,建築構造物等に使用されるべき装置である.現在,その建築構造物に組み込む場合について検討中であるが,このように,実用化に至るまでの基礎データを得ることに成功した.一方,ダンパーとしての効果とアクチュエーターとしての効果の両方が発現する場合の装置において,どちらの効果が実験条件により変化するのかについても併せて実験的に検討を行った. また,これらの成果の一部は,特許申請を検討中である.さらに,これら一連の研究成果は,平成14年度において国内外における学会や論文において発表する予定である.
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