研究概要 |
空気圧シリンダを用いたリハビリ支援用ロボットアームの性能を評価するために,スティフネス制御を用いて立ち上がり励作をアシストする実験を行った.被験者の各関節の動きを画像計測し,膝で発生しているトルクを推定することで,アシスト動力を定量的に評価した.また,体格の異なる多くの被験者の協力を得て、体格差が性能に及ぼす影響を調べた.その結果以下の知見を得た ・スティフネス制御が立ち上がり動作のアシストに有効な制御方法であることが確認された.しかし,アシストの割合を大きくするにつれて,アームの上昇速度が速くなってしまう欠点もあることが明らかとなった. ・被験者の体重差が1.5倍あると,同一の制御パラメータではアシストの割合が2倍程度異なることがわかった.体重が重いほど,同一の条件下ではアシスト率が小さくなる. ・上記の結果より,被験者の体重が既知である必要がある.本研究から地面に水平になるように制御されたアームに被験者がもたれかかった時,45kgから95kgの被験者に対して体重とシリングにかかる力には多少のばらつきはあるもののほぼ比例関係にあることがわかった. ・既知な体重の被験者が介助されながら立ち上がり動さを行なう際に,シリングが発する力が振動しないための制御パラメータを実験によって求め,良好な制仰が行なえるようになった. ・被験者の体重とアシスト率の関係を調べ,介助に必要なスティフネス制御の制御パラメータを導出可能な関係式を導いた.
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