研究概要 |
平成13年度は,必要自由度発見のための理論的枠組みの整備と実験装置の整備などを行った. 最小二乗法を基にした必要自由度の発見 センサ上で定義されているあるタスクを繰り返している間,アクチュエータとセンサ信号に関する情報を収集し,最小二乗法を基に,その信号間の関係を推定する方法を提案した.与えられたタスクに対してロボットが冗長自由度を有することは,推定された行列の対応する成分が0に近くなることによって発見され,これを行列から抜くという演算をすることによって,このタスクに冗長な自由度を他のタスクで使うことができるようになった. 自由度の動的割り当ての制御アーキテクチャの構成 上記の必要自由度の検出機構,切り出し機構をもつの適応サーボ系を,別々のセンサ上で定義された複数のタスクに応じて用意し,ロボットの持つ自由度を,あらかじめ決められた優先順位にしたがってこれらのタスクに動的に割り当てることができる制御アーキテクチャを構成した.これによって,環境が動的に変化することにより,あるタスクに必要な自由度が変化するような場合にも,その必要自由度を動的に発見し割り当てることによって,ロボットが環境変化に柔軟に対応することができる. 実験装置の整備 提案する手法を実験により検証するために,実験装置の整備を行った.実験装置は,既存設備であるロボットアーム(PA-10),およびそれに搭載されたCCDカメラからなり,これらと,制御用のコンピュータとインターフェース等との接続を行った.また,簡単な動作実験により,ロボットの動作を確認した.
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