研究概要 |
介助犬は,身体障害者を助けるように訓練された犬であるが,高齢化社会が進行している我が国において,今後,高齢者が在宅生活を送る上でも必要とされるであろうと考えられる.しかし,訓練の困難さや動物であるが故の問題のために,その数は僅かである. 本研究では,工学的立場から介助犬の役割を果たすロボットを開発することを目指し,期間内に幾つかの介助(人間が立ち上がる時の補助等)を行うのに必要な機能を有し,人間の感性を考慮した(人間の感性において違和感や不快感を与えない)ロボットの設計・試作およびそのロボットを用いた実験などを行い,介助犬ロボットを開発するための基本的な設計手法を確立することを目的とし,今年度は以下の事項を行った. 1)来年度に予定している介助犬ロボット試作のための基礎実験 市販の四足歩行ロボットTITAN-VIII(東京精機株式会社)に,コンピュータおよび種々のセンサを自装させた実験用ロボットを用いて実験を行い,歩行における制御方法(静歩行時の制御方法や動歩行時の制御方法)の検討や人間とロボット間のインターフェース部の検討,および,人間とロボットとのコミュニケーション(音声)において人間の心理的側面(感性)に与える影響についての検討などを行った. 2)介助犬ロボットの試作準備等 次年度に予定している介助犬ロボットの試作においては,上述の実験用ロボットを用いて行った実験結果を参考データとし,介助犬ロボットの概念設計,基本構造設計を行い,設計したロボットを駆動させるためのモータや制御用ドライバの選定等の詳細設計を行った. 次年度は,現在の実験用ロボットのコンピュータやセンサ等の一部を転用し,設計した介助犬ロボットを試作する予定である.
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