平成13年においては、衝撃波管駆動ディスク形MHD発電機を用いた発電実験において、作動気体を従来のAr/CsからHe/Csへと変えることで高い流速を得、発電性能を向上させる研究目的を達成するための基礎的な段階として、作動気体の違いによる実験条件の変化に注目し、様々な発電実験条件において得られた発電プラズマの状態と発電性能に関する基本的な検討を行った。 まず、平成12年度までAr/Csを用いて稼動させた衝撃波管装置の気体供給系、排気系の再構築を行い、He/Csを作動気体とすることを可能にした。 シード率、発電チャネル負荷抵抗値等の条件を変化させた発電実験を行い、断面積比の小さい同一発電チャネルを用いながら作動気体を変更する上での運転条件の差異に注目した結果、He/Csを作動気体とした場合には、Ar/Csを用いた場合と比較して、高いシード率を設定し電気伝導度を上昇させること、高い発電チャネル負荷抵抗値を設定し大きなホール電界強度を得ることが有効であることを明らかにした。 さらに、超音速プラズマ流体の流速が増加することに対応した高時間分解能電子温度計測手法を確立した。 これにより、今後、作動気体の違いに起因するプラズマ流体挙動の特徴、MHD相互作用等の物理現象の違いを詳細に検討することが可能になると考えられる。 また、澱み点圧力、超音速ノズル負荷抵抗値の変化が、等エントロピー効率及びエンタルピー抽出率に大きな影響を与える可能性も示唆されており、このことは、今後の興味ある検討課題の1つに挙げられる。
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