研究概要 |
放電容器中の準安定励起分子の理論的な解析結果の妥当性を調べ,放電空間中における準安定励起分子の損失過程を明らかにする目的で,放電容器中で生成されたN_2の準安定励起分子の実効励起寿命測定を行っている。 今回は,準安定励起分子の実効励起寿命測定の新たな測定法として,ガラス板上に塗った蛍光体表面が準安定励起分子の検出器として有効であるか検討した。具体的には,蛍光体の発光に関する基礎実験を行った。まず,蛍光体の励起源としてN_2レーザー,D_2ランプ,パルス点灯Xeランプを用いて蛍光体の発光特性を観測し,励起源によって蛍光体の発光特性に違いがあることを確認した。 次に,蛍光体を実際の放電にさらすことにより発光するかを観測した。その結果,蛍光体は,電流領域で10-^6A付近から発光することを肉眼で確認した。しかし,この電流領域では,目的とする準安定励起分子以外に,放電光,電子,イオン等がかなりの割合で存在しており,蛍光体が何によって発光しているのかを確認する必要が生じた。 そこで今後は,放電空間に存在している放電光,電子,準安定励起分子,イオン等の中1から蛍光体の励起源となっている粒子を特定するための実験を進める。
|