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2002 年度 実績報告書

フォトニックデバイス開発をめざしたレチノイド分子組織膜の光学特性制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13750283
研究機関北海道工業大学

研究代表者

木村 尚仁  北海道工業大学, 工学部, 助教授 (80244838)

キーワードレチナール / 吸収スペクトル / 励起スペクトル / 会合体 / LB膜 / 水面上単分子膜 / L膜 / 光異性化反応
研究概要

本年度の研究では昨年度に引き続き,レチナールの水面上単分子膜(L膜)のπ-A曲線と吸収スペクトルの同時測定について,よりS/N比の高いスペクトル測定を試み,実験を行った。またそのデータについて定量的な配向モデルに基づく解析を行った。その結果,膜圧縮に伴って分子が水面に対して立ってくるが,場合によっては分子間双極子相互作用の影響により一時的に傾くことが示唆された。
また,レチナールの光異性化等による変化について調べるため,種々の波長の光を照射しながら吸収スペクトルの測定を行った。まずクロロホルム溶液について測定を行った結果,より長波長の光を照射した場合にもっとも変化が大きくなることが確認された。さらにLB膜について同様の実験を行ったところ,溶液状態の場合よりも変化が大きくなることが分かった。すなわち薄膜化することによって,光照射による変化の効率を上げることができることがわかった。
レチナール/クロロホルム溶液について濃度の大きく異なる試料の吸収スペクトル測定を行ったところ,高濃度の溶液ではモノマーのピークよりも短波長側に別なピークが出現することを確認した。これは溶液内でレチナール分子が会合体を形成するためであると考えられる。またこの変化は励起スペクトル測定によっても確認でき,低濃度と高濃度溶液では大きくパターンの異なるスペクトルが得られた。この場合高濃度溶液では,長波長側に新たなピークが出現する。このことから,膜内には吸収スペクトルで確認されたものとは別種の会合体も形成されていると考えられる。さらにLB膜について同様の実験を行ったところ,膜内の分子密度が低い場合も高い場合も,吸収スペクトルにはほとんど変化が見られなかった。しかし励起スペクトルでは溶液の場合とほぼ同様のパターンの変化が見られた。これは,LB膜内では1種類だけの会合体が形成されていることを示していると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] N.Kimura, K.Imai, T.Sawada: "Absorption Properties of Langmuir Films of Retinal"Abstracts of 5^<th> International Conference on Nano-Molecular Electronics. 99-100 (2002)

  • [文献書誌] 木村尚仁, 今井和明, 澤田孝幸: "レチナール・ラングミュア膜の吸収分光特性"北海道工業大学研究紀要. 31. 219-223 (2003)

  • [文献書誌] M.Sasaki, N.Takojima, N.Kimura, I.Tsubono, K.Suzuki, T.Sawada, K.Imai: "Electron-phonon coupling of deep emission in ZnSeTe alloy"Journal of Crystal Growth. 227-228. 683-687 (2001)

  • [文献書誌] T.Sawada, Y.Ito, N.Kimura, K.Imai, K.Suzuki, S.Sakai: "Characterization of metal/GaN Schottky interfaces based on I-V-T characteristics"Applied surface science. 190. 326-329 (2002)

  • [文献書誌] 佐々木陽介, 今井和明, 澤田孝幸, 木村尚仁, 鈴木和彦, 坪野功, 斉藤博: "水素処理によるZnSe表面層のクリーニング効果II"北海道工業大学研究紀要. 31. 239-246 (2003)

  • [文献書誌] N.Kimura, K.Imai, T.Sawada: "Absorption Properties of Langmuir Films of Retinal"Thin Solid Films. (印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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