研究概要 |
超伝導ケーブルや超伝導マグネットなどの超伝導電力機器の絶縁には冷媒と固体の複合絶縁構成が有力であると考えられる。機器の正常な動作を確保するために,極低温複合絶縁を研究することが重要かつ急務であると考えられた。 本研究では,下記の項目について検討を実施し学会発表を行った。 1)低温冷媒中で放電実験を行うため,断熱性能をもった放電試験用の容器のフランジを加工した。 2)極低温用高分子(FRPスペーサ)と冷媒(主に液体窒素)の複合絶縁系にて放電実験を行い,固体と冷媒界面を有する複合絶縁系で問題となる,冷媒異空間での異物挙動が絶縁破壊に与える影響と冷媒との関連について検討した。結果,商用周波数領域の成分をもつ電圧印加において,導電性異物の挙動は破壊に大きな影響を与える可能性が示唆された。 3)上記の成果をまとめ学会にて口頭発表し情報交換を行った。 4)現在,複合絶縁構成において問題と考えられる,冷媒の流動とスペーサ表面へ帯電の可能性について検討を行いっている。
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