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2001 年度 実績報告書

音声合成の高品質化およびインターネット利用による音声合成の国際化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13750319
研究種目

奨励研究(A)

研究機関北海道大学

研究代表者

青木 直史  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80322832)

キーワード音声信号処理 / 分散オブジェクトシステム / マルチリンガルシステム / VoIP / XML / 非線形信号処理 / インターネット / MPEG-4
研究概要

平成13年度は、インターネットを介した音声処理システムの可能性について調査および具体的な実装を通じて研究を行った。特にマルチリンガル対応の音声合成システムの構築を念頭において研究を推進した。マルチリンガル対応の音声合成システムの構築には、各言語の音声データベースを個別に準備する必要があるが、これまでに様々な研究機関で構築された音声データベースを再利用することで、こうしたデータベース構築のコストを大幅に削減することができる。本研究では、インターネットを介した音声データベースの効率的な共有化を推進することを目的として、XML(eXtensible Markup Language)に基づく音声データ交換のための標準フォーマットを新たに提案した。また、こうした標準フォーマットにより実際に音声データベースを整備し、これをインターネット上に公開することで、分散オブジェクトシステムとしての音声合成システムの実装を行った。これまでに日本語とドイツ語について対応可能なモジュールを構築し、提案手法によるマルチリンガル対応の音声合成システムの可能性について部分的に実証した。なお、音声合成の方式としては線形予測法に基づくモデルベース方式を採用したが、合成音声特有の音質劣化を最小限にとどめ、合成音声の自然性改善を追及することを目的として、非線形信号処理の方法論に基づいた音声分析および音声合成の手法について研究を行った。
上記の研究課題と並行して、インターネットのブロードバンド化が進み、リアルタイム通信が実用段階に入りつつある背景を鑑み、インターネットを介した音声処理システムの一つであり、次世代の電話サービスとして急速に利用が進みつつあるVoIP(Voice over IP)に関する調査を行った。VoIPはベストエフォート型の通信方式によってリアルタイム通信を行うため、パケットの遅延や損失といったエラーに対してリアルタイムに対処する必要があるが、こうした問題に対して、暗号技術のひとつであるステガノグラフィ技術を適用することで、伝送量を増加させることなく、従来法よりも有効に音質改善を行える可能性があることを実証するに至っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Naofumi Aoki: "High Quality Speech Synthesis Based on the Reproduction of the Randomness in Speech Signals"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. vol.E84-A, no.9. 2198-2206 (2001)

  • [文献書誌] Naofumi Aoki: "Frequency domain analysis and synthesis of the waveform fluctuations in sustained vowels"Int. Sympo. KANSEI2001. 113-116 (2001)

  • [文献書誌] Naofumi Aoki: "Development of a speech synthesis system utilizing a Lisp XML interface"Int. Sympo. KANSEI2001. 165-168 (2001)

  • [文献書誌] Naofumi Aoki: "Analysis and Synthesis of Waveform Fluctuation in Sustained Vowels Based on a Nonlinear Time Warping Technique"IEICE Int. Sympo. Nonlinear Theory and its Applications. 445-448 (2001)

  • [文献書誌] 青木 直史: "XMLによる音声データベースの構築とクライアント/サーバー音声合成システムの開発"電子情報通信学会技術研究報告データ工学研究会資料. vol.DE2001-112. 33-38 (2001)

  • [文献書誌] 青木 直史: "ステガノグラフィを用いたVoIPにおけるパケット消失隠蔽に関する一考察"電子情報通信学会技術研究報告情報ネットワーク研究会資料. vol.IN2001-107. 17-22 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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