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2001 年度 実績報告書

一般情報源を一様乱数に変換する方法およびその暗号への適用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13750325
研究種目

奨励研究(A)

研究機関筑波大学

研究代表者

古賀 弘樹  筑波大学, 機能工学系, 講師 (20272388)

キーワードシャノン理論 / 情報スペクトル / 一様乱数 / 乱数生成 / 秘密鍵暗号 / 情報源符号化 / 同音異義符号化
研究概要

本研究は,シンボルの生起確率に偏りのある情報源の出力に対してHomophonic Coding(以下HCと略記する)を施して一様乱数化し,さらに既存の簡単な秘密鍵暗号(ストリーム暗号や換字式暗号)を用いることによって,安全性の高い暗号システムを構築することが目的である.本研究で考える情報源は,無記憶性やマルコフ性などの仮定のない情報源であり,極めて広い範囲の情報源クラスを含む.一方,HCは確率的に偏りのある情報源出力を,一様分布に従う符号語に符号化する技術であり,適当なサイズの一様乱数を用いて,1個の情報源出力を複数個の符号語に確率的に分離して一様化する.一般に,暗号化するデータが一様分布に従えば,暗号は強度を増すことが知られている.
今年度,本研究では,一般情報源に対する固定長のHCがもつ基本的な性質を議論した.HCの性能を決定する要素としては2つの量,すなわち,情報源出力を複数個の符号語に確率的に分離するために必要な一様乱数のサイズ,およびHCの符号語全体の個数,があり,これら2つの量が満たすべき性質を導出した.その性質を導出するにあたっては,復号時に微小な復号誤り確率を許すこと,およびHCの符号語は近似的な意味で(分布間の距離が漸近的に0になるという意味で)一様分布に従うことを要請した.本研究ではHCに必要な一様乱数のレートR_VとHCの符号語のレートR_Yの下界を求めることに成功し,これら下界は情報理論的な量を用いて記述される.特にR_Vの下界については,従来にない量を新たに定義する必要があった.また,これら下界を漸近的な意味で達成するHCも構成できることを示した.さらに,HC符号器と簡単な秘密鍵暗号を組みあわせて,ある種の安全性の規範を満たす暗号系を作れることを示した.次年度は,HC符号語の一様性や復号誤り確率にもっと厳しい条件を課したときのレートR_Y,R_Vの満たす性質について詳細に調べる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroki Koga: "A Coding Theorem on the Fixed-Length Homophonic Coding for a General Soune"Proceeding of 2001 IEEE International Symposium on Information Theory. 217 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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