本研究では、電子透かし技術において、切り取り処理が一般にオブジェクト単位に行われることに着目した方式である。例えば、りんご、ばらを含む画像に対し、りんご1個、ばら1輪を切り抜き再利用することはあっても、りんごやばらの一部を切り抜き再利用することは極めて稀である。本方式ではこのような不正利用者の切り抜き特性に着目し、オブジェクトごと(閉輪郭線1つ)に最低1つの透かし情報を埋め込むことにより、少ない透かし情報量で十分なセキュリティ耐性を実現できることになる。本研究では、このような基本アイディアをもとに、本方式の詳細設計を行い、試作ソフトウェアを開発する予定である。 今年度は上述した基本アイディアをもとに本方式の基本設計、詳細設計を行った。具体的には、(1)画像から輪郭線あるいはエッジを高精度に抽出する技術 (2)検出された閉曲線(輪郭線orエッジ)に対し、どの閉曲線にどのような透かし情報を埋め込むのかを自動判定する技術 来年度は今年度の設計をもとに、・具体的な透かし情報埋め込み技術・提案方式の実装を行う予定である。
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