研究概要 |
糸を用いた力覚提示装置を構築し,安定な制御を行うためのアルゴリズムを開発した。 従来のアルゴリズムでは、提示力が不連続に変化する点があり、可動域の一部を使用することができなかったが,開発したアルゴリズムでは,提示力が不連続に変化する点があり,可動域の一部を使用することができなかったが,開発したアルゴリズムでは,張力計算を2次計画問題に帰着させることで,不連続な変化を排除することに成功したため,可動域全体を使用できるようになった。また,従来のアルゴリズムは、4本の糸によって3自由度の力覚を提示するデバイス専用であったが,提案アルゴリズムは任意の力覚提示装置に対して適応できるので,力覚提示装置の設計の幅を広げることができたといえる. 複数の剛体の物理ベースモデリングを行い,簡単なゲームアプリケーションを作成し多くの人に力覚提示装置を介して触ってもらったところ,剛体については,質量,粘性などを認識できることが分かった. また,力覚提示装置による仮想物体操作に必要な把持の提示について,従来の単一のばねモデルを使用するモデルの問題点を実験により明らかにした. 従来の提示方法では,把持力と外力を単一のばねモデルから求めていたため、外力によってばねが縮み,物体の形状が変化したように知覚される。慣性力を把持提示に用いるばねモデルとは別のばねモデルを用いて求め,外力を把持力とは別に,直接各指に提示することで,この問題を解決した. さらに,任意形状の剛体の物理ベースモデリングを行うため,一般的な衝突判定アルゴリズムであるGJKアルゴリズムと,リアルタイムシミュレーションに向くペナルティー法を用いたシミュレータを開発した.このシミュレータが摩擦の無い複数の剛体を取り扱えることが分かったので,摩擦力の提示法を検討している.
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