研究概要 |
13年度における研究成果は以下の通りである. 平成13年度では,マルチホップ自律分散ネットワークに適したアクセス方式について検討を行った.特に,現在セルラネットワークで広がりつつあるCDMA方式と従来からあるTDMA方式をマルチホップ自律分散ネットワークに適用した場合について検討したところ,CDMA方式ではチャネル間直交度が不足するため送信パワーコントロールが必須であるが,自律分散ネットワークではその制御が大変困難となる.そこで,TDMA方式によってチャネル間直交度を確保することとした.しかし,TDMA方式ではタイミング同期,チャネル選択などが課題となる.そこで今年度はマルチホップのルーティング(経路選択)とあわせてチャネル選択アルゴリズムを検討した.特に,無線伝送資源の有効利用が重要であるため,チャネル利用効率,送信電力特性について検討した. 特に重要な点は以下の通りである.中継端末としては,周波数有効利用の観点からはなるべく近傍の端末を選ぶのが良い.しかし,すべての中継が同じ距離にならない限り,中継距離に長短が生じてしまう.この場合にSNRによってチャネル選択を行う方式と組み合わせると,著しい特性劣化が生じる.このため,できるだけ中継距離を揃えるようにアルゴリズムを構成したところ,劇的に特性が改善された.
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