マルチクラスネットワークを広域インターネット上に展開する際に問題となる複数ドメイン間の通信におけるTCPの性能に関する研究を行った。 ネットワークの有するマルチクラスサービス機能として、区別化サ-ビス(Differentiated Services)アーキテクチャを用い、ネットワークの入口におけるフローレートに応じたパケットマーキングを行うことで、中継ノードの出力バッファにおいてマークに従った廃棄制御を用いた場合に、TCPへの帯域割当てが複数ドメイン間でどのように保障されるかということについて特に着目した。 ルータが提供する転送サービスとしてDiffservのAssured Forwarding PHBを仮定し、フローレートの観測およびパケットへのマーキングにTSWタガーを用いた。ルータにおける出力キューサービス規律としてRIO(RED with In/Out)方式を用いた。 複数ドメインを通過してトランスポートフローが伝送される場合において、パケットへのリマーキングが起きる場合には、エンドツーエンドにおけるフロースループットが低下し、通信品質が悪化することを明らかにした。また、それぞれのドメインの入口で契約レートに応じたマーキング手法を適用することで、リマーキング数を削減でき性能向上が得られることを明らかにした。
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