(1)ZnS:CuおよびCdS:Cuの合成 EL発光体をDNAの標識に利用するためには、(1)水溶液中で安定に存在し、(2)表面修飾が可能であり、(3)十分微細なパーティクルを形成することが必要である。本研究では簡単な方法として、ZnS粉末とCuおよびNaClを混合し焼成した後に粉砕する方法を検討した。その結果、微細な粒子を得ることができず水溶液中に分散させることができないことがわかった。そのため、Zn(NO_3)_2あるいはCd(NO_3)_2とNa_2Sを混合することによりZnSあるいはCdSのナノパーティクルを生成し、3-mercaptopropyl trimethoxysilaneおよびケイ酸ナトリウムによりナノパーティクルの表面にSiO_2を堆積させることでナノパーティクルを安定化させることを検討した。また、ZnあるいはCdに対してモル比で10%〜0.1%のCuをドープすることで活性中心を形成させることを検討した。その結果、ドーパントの濃度にかかわらず水溶液中に分散したZnSあるいはCdSのパーティクルを得ることができた。 (2)EL発光体の表面修飾 上記の方法で合成したEL発光体の表面のSiO_2を3-aminopropyl triethoxysilaneで処理し、アミノ基で修飾することにより静電気的にDNAと結合させることを検討した。予備実験としてカバーガラスに同様の処理を行い、DNAがカバーガラスに結合することを確認した。
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