研究概要 |
マイクロスコープの先端に,モータで回転する合わせ鏡を設置した装置を製作した.また,合わせ鏡の代わりに板状レンズをカメラに対して斜めに設置した装置やウェッジプリズムを用いた装置を試作した.板状レンズを用いた場合は,深さに対して描かれる円軌跡の径の変化が画像に現れにくい問題があったが,ウェッジプリズムの装置では,撮影される計測点の軌跡はカメラから計測点の距離に応じてなめらかならせん軌跡を描き,合わせ鏡の装置以上に良好なデータが得られることを確認した.また,ウェッジプリズムの装置は構成が簡単で,画像の回転速度もさらに上げることが可能になる.それに伴いさらに速い動きの計測対象の計測が可能になると予想される.合わせ鏡やウェッジプリズムの回転角は,エンコーダを用いて読みとる構成になっている.z軸ステージに目盛り板を乗せ,画像上でマウスによって指示したカメラ座標と目盛り板から読んだワールド座標間で対応をとりキャリブレーションを行う手法を開発した.カメラ座標とワールド座標間の関係をマトリックス表記し,キャリブレーションによって,マトリックス内の係数を算出した.これにより任意の座標系における計測が可能になる.また,計測点を相関処理によって自動的に追跡するアルゴリズムを開発した.静止した対象に関しては,1%程度の誤差でかなり高精度に計測できることを確認している.本計測器を用いて電子部品などの計測実験を行い良好な計測結果が得られることを確認した.
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