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2001 年度 実績報告書

飽和非線形要素をもつシステムのロバスト最適制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13750414
研究種目

奨励研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

鷹羽 浄嗣  京都大学, 情報学研究科, 助教授 (30236343)

キーワードsaturation nonlinearity / local stability / circle criterion / LPV system representation / matrix inequality conditions / gain scheduling controller
研究概要

流体系のバルブの開閉,電気回路における許容電圧の制限など,実際の物理システムのほとんどは飽和非線形要素を含んでいる.このような飽和要素を陽に考慮した制御系の解析・設計は,制御工学の重要な問題のひとつである.本研究は,このような飽和システムに対して,LPVシステム表現に基づく新しい解析・設計の手法を提案することを目的としている.
今年度の研究実績は,以下の通りである.
(1)パラメータ依存行列不等式による飽和システムの局所的安定条件を導出し,これに基づいた線形時不変(LTI)コントローラの設計法を提案した.この成果は電子情報通信学会論文誌の英文誌に掲載された(研究発表の欄参照).
(2)上記の行列不等式条件は数値的に解くことが困難であり多大な計算量を要した.この難点を克服するために,より簡潔で数値的に取扱い易い安定条件を導いた.この安定条件は,従来広く用いられている円板条件よりも保守性の小さい安定条件であることも理論的に証明した.
(3)(2)で得た安定条件は,パラメータ依存でない有限個の非線形行列不等式で与えられる.この非線形行列不等式条件を用いて,局所安定化コントローラの設計法を提案した.ここでは,LTIコントローラと非線形特性を積極的に利用したLFT型ゲインスケジューリングコントローラの2種類のコントローラの設計法を提案した.
(4)(3)で提案した設計法の有効性を数値例により確認した.予想に反して,LTIコントローラに対するゲインスケジューリングコントローラの優位性は非常にわずかであり,今後の検討を要することがわかった.
なお,(2)〜(4)の結果は,第30回制御理論シンポジウム(計測自動制御学会)で口頭発表しており,現在,論文投稿の準備中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Tomida, K.Takaba: "Controller synthesis for feedback system with saturation : An LPV-based approach"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. E84-A. 2207-2212 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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