研究概要 |
本研究では,離散事象システムの制御手法の中で,max-plus代数理論に注目し,・max-plus代数理論による離散事象システムのモデル予測制御手法の開発. ・連続量の制御問題には,モデル予測制御手法を適用. ・離散量と連続量の制御問題を実時間最適化問題として,統一的に定式化することによって,離散量と連続量が混在する制御システムが扱えるmax-plus代数によるモデル予測ハイブリッド制御システムを新しく開発することを目的としている. このことを実現するため,本年度は以下のことを行った. ・モデル予測制御の一種と考えられる内部モデル制御(IMC)をmax-plus代数を構成する手法に着目し,遅れの生じない妥当な参照信号の与え方を提案し,第45回システム制御情報学会にて報告を行った[a]. ・内部モデル制御で必要となる逆システムの計算法に線形計画問題を適用し,さらに生産システムの各機械要素のダイナミクスも考慮したハイブリッドシステムのモデリングおよび制御法について提案する研究成果を第30回自動制御連合講演会に発表した[b]. ・max-plus線形システムを定係数の場合からシステムパラメータに関して線形表現された場合へ拡張し,パラメータ表現された逆システムの構成法を与えた.さらに,そのシステムの最適化問題についても考察し,線形計画法を用いてパラメータをオンライン最適化して,制御則を構成する方法を与える.[c] [a]増田士朗:Max-plus代数に基づく内部モデル制御系における参照信号の構成法,第45回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集(2001) [b]増田士朗:Max-plus代数による生産システムのハイブリッドモデリングと制御,第30回自動制御連合講演会資料(2001) [c]増田,五島,雨宮,竹安:線形パラメータ表現されたmax-plus線形システムの最適逆システム,第46回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集(2002)
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