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2001 年度 実績報告書

長期環境作用を受ける無機複合材料の物質平衡と微細構造変成に関する統合解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13750440
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

石田 哲也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60312972)

キーワード塩化物イオン / 固定塩化物 / 吸着塩化物 / 熱力学 / 複合劣化 / 耐久性
研究概要

本研究では,セメント系無機複合材料を主たる対象に取り上げ,環境作用を受けた材料品質の変性・劣化現象を予測する数値解析手法の開発を行うものである.初年度における研究成果は以下に列挙される.
(1)セメント硬化体中に存在する塩化物イオンを,細孔溶液中に溶存イオンとして存在する自由塩化物,細孔壁面に吸着する吸着塩化物,及びセメント水和物と反応し化学的に結合される固相塩化物に分類し,細孔溶液搾出と滴定試験によって各々の定量関係を実験的に求めることに成功した.ここで,微細に粉砕した試料を種々の塩分濃度溶液に浸すことで,低濃度から飽和近傍を含むあらゆる濃度領域において,(自由塩化物)-(吸着+固相塩化物)間の平衡関係を見出すことに成功した.
(2)一般に耐海水性を有することで知られる高炉スラグ微粉末混入系の塩分固定メカニズムを,項目(1)の分類に基づき解明した.高炉スラグ微粉末を混入することで,空隙壁面への吸着塩化物が増大すること,また化学的固定成分は比較的影響が小さいことを明らかにした.さらに,任意の水セメント比,及び高炉スラグ微粉末置換率に対する塩化物平衡モデルの提案を行った.
(3)種々の配合条件を有するセメント硬化体の塩化物拡散性状を実験・解析両方の側面から検討を行い,外部からの塩分浸透を予測する数値解析技術の構築を行った.提案するモデルは,セメント硬化体空隙構造の幾何学的性質のみならず,項目(1)ならびに(2)で取り組んだ平衡状態(塩化物イオンの壁面への吸着状態)に依存するものである.
来年度においては,他のイオン(カルシウム,硫酸,炭酸等)と塩分イオンを同時に取り扱う,複種イオン連成解析手法の確立を試みる.また,酸との反応プロセスに依存する系内のpHと塩化物イオンの平衡関係をモデル化することで,RC構造の複合劣化を追跡し得る評価手法の開発を行いたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koichi Maekawa, Tetsuya ISHIDA: "Service life evaluation and durability design system for self compacting concrete"Proceedings of the second international symposium on self-compacting concrete. 33-56 (2001)

  • [文献書誌] Tetsuya ISHIDA, Koichi MAEKAWA: "An integrated computational framework for performance evaluation of cementitious materials and structures under various environmental actions"Proceedings of EASEC-8, Singapore. No.1267 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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