近年、ヒートアイランドと呼ばれる大都市の気温が上昇する現象が、日本の東京を含め世界の大都市にその影響が及んでいる。これは1つの地球温暖化現象に属する。この地球温暖化がもたらす悪影響については論を待つまでもなく、温暖化のスピードを少しでも低減させようと、各機関で研究が進められている。本研究は、申請者らによる新たな別の地球温暖化防止策をとして、低発熱型舗装材料及び低発熱型屋上緑化材料の開発を目指すものである。 低発熱型舗装材料に関する研究では、産業廃棄物であるガラスカレットや発泡廃ガラス材等を、アスファルト舗装の骨材に使用することにより、地球温暖化の要因であるアスファルト舗装の表面温度を下げることとともに、産業廃棄物の有効利用を目的としている。そこで、ガラスカレットや発泡廃ガラス材等をアスファルトに混入して供試体を作製し、普通骨材をアスファルトに混入して作製した供試体との表面温度をサーマルカメラ(高感度赤外放射温度計)を用い比較することで、ガラスカレットや発泡廃ガラス材等をアスファルトに混入することの効果性を見出し実用化への検討を行なうものである。研究の結果、低発熱型舗装材料としては、発泡廃ガラス材混入のアスファルトが、表面温度の低減および強度の両面から最も適していると判明した。その適用としては、CBR値がそれほど高くないことから、大きな強度を必要としない公園広場や遊歩道等を見出した。 一方、低発熱型屋上緑化材料の開発に関する研究では、廃ガラスを粉砕・過熱して製造した発泡廃ガラス材を緑化基盤材料に混合することで、植生の活性化とともに減熱効果を期待するものである。研究の結果、従来の緑化基盤材料に発泡廃ガラス材を混入した場合、植物の活性度が上昇し、温度の低減効果があることが、熱赤外線映像装置及び分光反射計による観測で明らかにすることができた。
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