研究概要 |
鉄道トンネルの壁面の損傷を検出する検査ロボットのハードウェアを実験スケールで製作した.また,これを制御するとともに壁面の変動データを計測するためのソフトウェアを開発した.開発した小型ロボットはSDOFのアームの先端にCCDレーザー変位センサーを有するものである.アームはパーソナルコンピュータからの指令をRS-232C経由で受けてPWM制御により回転運動を行う.CCDレーザー変位センサーにより計測された変位データはA/D変換ボードを経由してパーソナルコンピュータに保存される.本システムの稼動テストを行い,計測精度を検証しつつアームの回転運動の最適化を図った.次に,トンネルを実験室スケールに落とした半円形のコンクリート供試体を作成してクラックおよび変形を与え,開発した小型ロボットを設置して計測実験を行った.計測結果は良好であり,微小なクラックの形状と供試体全体の緩やかな変形も計測された.さらに,計測された壁面変位データをウェーブレット変換を用いて解析した.その結果,クラックのような局所的微小変形と大きいスケールの変形とを分離するとともに,クラックの発生位置を特定することができた.
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