E-Commerceが物流に与える影響、そして情報社会における環境負荷の少ない物流システムについて研究するという目的を達成するために、本年度は、次の研究を行った。 1)情報化の進展、特にE-Commerceの進展についての基礎調査を行い、情報化社会の比較・評価指標についての研究を行った。 2)BtoCビジネスの増加による物流の変化およびその交通への影響を予測するために、詳細な経済地理データベースを利用する必要があるが、既存のGISソフトを物流研究のベースシステムとするには、ユーザーとしての交通研究者にとっては難しいため、既存のGISソフトを使用せず、GISデータベースだけ利用し、コンピュータプログラミングによってGISデータベースをビジュアル化するシステムを作ることに成功した。これによって、任意点のGISデータベースを利用できるだけでなく、従来、大量の労力が必要とするネットワークデータ作成・編集作業を対話式で行うことができ、沿道のデータとリンクさせることによって、その上での交通行動シミュレーションモデルの開発、ビジュアルな交通計画の実現が可能になる。このシステムを利用して、BtoCビジネスの増加による物流への影響をシミュレートする予定である。 3)情報化による国際物流の変化を研究するために、中国の輸出入企業についてアンケート調査の結果を用いて、中継港選択行動をロジットモデルで分析を行った。
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